旧暦の2033年問題

2023年6月8日

旧暦が2033年におかしくなると言う問題が以前より上がっていますので、それを私なりに考えてみました。
まず、旧暦(太陰太陽暦)のうち一番最後だった天保暦についてですが、色々と暦上の規則があります。
その規則は、「平山規則」と言って明治4年(1912年)に平山清次と言う天文学者が考えたものですが、
1.新月を1日(ついたち)とする。
2.二十四節気の中気によって月名が決まる。
3.二十四節気の中気を含まない月に閏月を配置し、前月の月名に「閏」と付ける
4.暦中冬至を含む月を11月、
  春分を含む月を2月、
  夏至を含む月を5月
  秋分を含む月を8月
  とする。
と言う規則があります。

そして、太陰太陽暦ですから、1朔望月は平均29.5日です。
それに対して、中気から中気は、平均して30.44日です。(定気法による)
※天保暦はそれまでの平気法から定気法に変更されました。
そのため、中気から中気の間に1朔望月が入り込んでしまう事があります。そのため「閏月」が出てしまいます。
そして、19年に7回閏を入れて太陽暦と日にちの調整を図っていました。
これを「メトン周期」と言います。
メトン周期は、平均1朔望月が29.530588853日で19年で235朔望月となりますので、
29.530588853日×235朔望月=6,939.68838045日となり、
太陽暦では、平均1太陽年が365.242189日ですから
365,242189日×19年=6,939,6018
となり、差は0.08658045×24時間=2.0779208時間
実際の太陽暦と比べて約2時間の差しかありません。
※1朔望月は、月の満ち欠けの1周期の日数です。
つまり朔から次の朔までの日数、また望から次の望までの日数を言います。
ちなみに、235朔望月は、12ケ月x19年+7ケ月です。
太陰太陽暦と言うぐらいですから、1ケ月が太陽暦よりも短い分、どっかで太陽暦と日数の折り合いをつけると言うことです。

そしてこの約束事が崩れるのが2033年であると言われています。
その様子を見て見ると、

上の通り日にち単位で二十四節気と朔日を見て行くと、中気がない月は2回、と中気が2つ入ってしまう月が2回出てしまいます。
そして、この場合は、最初に中気がない月を「閏」とした場合ですので7月の次に「閏7月」を入れます。
但し、この場合は、冬至は11月としなければなりませんが、10月になってしまいます。

次は、冬至が11月という事を優先した場合です。
暦においてはやはり冬至というのは特別ですので、その当たりを考慮した場合です。

これがその場合で、11月の次に「閏11月」を入れています。
しかし、この場合は秋分が9月になってしまいます。
そして、最後は二十四節気と朔日の時間まで考慮した場合です。

この場合は、2034年1月までは普通に流れます。日にちが違っていても時間差で、中気が朔日時の前に来る場合が出て来ます。
11月なんかは凄く微妙なんですがギリセーフと言った感じです。
そして、冬至は11月に、春分は2月に、夏至は5月に、秋分は8月に来ています。
ただ、1月後には中気を含まない月が来ますので「閏1月」とします。
この3パターンが考えられますが、旧暦を管理している公的機関がありませんので、果たしてどうなるかは、不明です。
ただ、個人的には3つ目が一番スムーズな気がするのですが、万年暦は2番目のパターンとなっています。
それだけ冬至は大切と言うことです。
そして、冬至と言えば、「朔旦冬至」ですが、前回2014年だったので、19年に1回とすると、2033年になると思いきや、この2033年問題の影響で次の朔旦冬至は2052年だそうです。
「朔旦冬至」とは、二十四節気の冬至が旧暦の11月1日(新月の日)に来るおめでたい時です。
旧暦は、特に干支九星や気学では使いませんが、干支九星や気学をする占い師は、暦を使って占いをする占い師ですから、暦については、ある程度理解しておくべきです。

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