上月定局

上月定局というと余り聞きなれないと思いますが、見てみると良く易の本の後ろの方に12ケ月に大成卦を当てはめたもので、比較的良く見るものです。
先日、横井伯典先生の本の資料で「定月会局」というものを戴きまして、新井白蛾のものだと言われていたので、最初は、縦横の表になっていて数字しか入っていなかったので、よくわからなかったのですが、よく見てみると、「上月定局」のことだとわかりましたが、正直今まで余り気にしなかったというか、こういうのもあるのね、的にしか考えてませんでしたし、実占で使うこともありませんでした。
それが以下のものです。

上月定局(新井白蛾)
上月定局

そして資料をくれた方が興味を持ったのは、この上月定局を紀藤元之介先生が戦後まもなく改良して出した「時期測定盤」でした。
それが、以下のものです。

これはこれで面白いもので、その方は、この盤の復元を考えておられる様です。

ただ、ここで面白いと思ったのが、この上月定局がどの様な法則で出来ているのか?ということです。
一見すると、法則性は見つかりません。
しいて言えば、親卦のところが十二消長卦になっている点でしょうか。
しかし、後の卦については皆目わかりません。
そこで調べていくうちに、この上月定局は、「先天方図」によって作られているということが分かりました。
「先天方図」
これも実はよく見るものです。

先天方図

見ての通り、先ず基準となる月は、5月と11月です。
そして5月は、対冲の坤に向かって一つ飛びに離、巽、艮とし、11月は坤から対冲の乾に向かって、坎、震、兌となります。ただこの並び順に関しては不明です。
そして次が12月と6月です。
12月は、乾と坤を結んだ線と並行に下にズレた線上で、復から小畜まで斜めに取ります。
また6月は、乾と坤を結んだ線と並行に上にズレた線上で、姤から豫まで斜めに取ります。
次は、2月と8月です。
2月は、泰から否に向かって一つ置きに斜めに取ります。
また8月は否から泰に向かって一つ置きに斜めに取ります。
次は、3月と9月です。
3月は、泰と否を結んだ線と並行に下にズレた線上で、大壮から无妄まで取ります。
9月は、泰と否を結んだ線と並行に上にズレた線上で、観から升まで取ります。
しかし、ここで12月6月、3月、9月は全部ではありません。
後は良くわかりません。
しかし、この様にして出来た様です。
でも、これでは納得な行きませんのでよくよく考えたら、断易の「納甲表」をチョロっと見てみたところ、面白い事がわかりました。
是非「納甲表」を横に置いて見て下さい。

上月定局原理
上月定局原理

上の通り、11月と5月を基準にして、11月と5月は本宮卦、12月と6月は一世卦、1月と7月は2世卦、2月と8月は三世卦と帰魂卦、3月と9月は四世卦と遊魂卦、4月と10月は5世卦になるではありませんか?
ここで帰魂卦は世爻が三爻なので三世卦と同じですし、遊魂卦も世爻は四爻なので四世卦と同じです。
最後まで見事に分類されています。
これでいくと、3月4月と8月9月の所だけ卦の数が多いもの理解出来ます。
ただ、惜しむらくは、順番と区分まだ不明なことですが、今後の研究課題としたいと思います。
わかるのは、親卦の十二消長卦ぐらいです。そしてこの卦は全て坤と乾の変爻卦に分かれています。
偶然かもしれませんが、これには少しびっくりしました。

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