恵方参り

2021年2月26日

恵方は別名「明きの方」と呼ばれ、方鑑における「歳徳神」という神様が回る方位です。
歳徳とは、年中有徳の方角で、ありとあらゆる福がみな集まって来る吉方なので恵方と呼ばれています。
だから、この「歳徳神」という神様は、その年の福徳うを司る大吉の神様で、歳神や年徳などの別称もあります。
この恵方を「明きの方」と言うのは、大将軍方位が「塞がりの方」であるのに対して、歳徳神には開き開けるという福徳があるからです。
正月になると、各家に歳徳棚というものを設置して供物を用意して歳徳神を招き入れて祝うところもあります。
この様にして厄を祓い、新年の繁栄を願います。
陰陽道の「簠簋内伝」によると、歳徳神は南海にいる沙竭羅龍王(しゃかつらりゅうおう)の娘の頗梨采女(はりさいじょ)とされています。また、年毎に吉凶の方位を司るとされる陰陽道の八将軍(太歳神・大将軍・大陰神・歳刑神・歳破神・歳殺神・黄幡神・豹尾神)の母神であり、端正美麗な容姿を持ち、慈悲柔和の情に溢れた神であるので、この神が鎮座している方角は、諸事用いて大吉とされています。

異説としては、牛頭天王(素戔鳴尊)の后、つまり稲田姫とも言われています。
そしてこの方角に向かえば万事大吉で、福運がつき、災いを避けることが出来ると言います。
家の新築・引越・旅行・商取引などすべてに大吉です。
歳徳神の方位は、明きの方とも呼ばれることから、特に旅立ち、門出などに良い方位とされています。
ただし、同じ方位に金神などの凶神が重なる場合は、その凶の影響を受けることもあると言われています。

ただ、近年、恵方と言えば、恵方巻きを食べることが習慣の様になってしまい、まんまとスーパーや食品会社の戦略に乗せられてしまっている様です。
しかし、私達も海苔巻き自体もこういう機会でもないと最近はなかなか食べないのも事実です。

ところで、この恵方については、「恵方参り」という習慣が昔からあります。
一説によると、この恵方参りが初詣に変化していったそうです。
しかし、それでもまだまだ恵方参りをする方がいる様です。
では、恵方参りっていったいどうすれば良いのでしょうか?

最近知ったある流派の気学家の解説では、恵方参りは、立春、立夏、立秋、立冬の前に(つまり土用の間に)お参りをするというものです。
それも神社にこだわらず、お寺でも、教会でもモスクでも良いそうです。
そしてそこで、天地に両手の人差指を立てて、呪文を唱えて、ビビビっと来たら、恵方が取れるそうです。
そして、今年の様に恵方が南の場合は、南30°を三分割して東側の10°が今年の恵方だと言うのです。
もうビックリして、これだけめちゃくちゃな気学があるんだと思うと悲しくなってきます。

では昔からの恵方参りは、一体どうするのでしょうか?
まずその為には、恵方の方位を知らなければなりませんが、これは年の天干に決まります。
すると、年の天干?と思う方もおられると思いますが、現在は毎年「今年は丑年です」と言って、その年を十二支だけで言うのが一般的ですが、実際には干支というのは、この十二支の前に十干が付きます。
これが天干です。そして天干と地支で合わせて「干支」なのです。
そしてこの天干が今年は「辛」になります。
つまり今年の干支は「辛丑」です。この読み方ですが、訓読みだと「かのとうし」となり、音読みだと「しんちゅう」となります。
そして恵方はこの十干の特別な組み合わせから出ています。
それが、「干合」という組み合わせです。
甲己
乙庚
丙辛
丁壬
戊癸
この組み合わせが干合です。
そして恵方が毎年変わるのは、毎年この天干が十二支と一緒に変わるからで、恵方はこの天干の干合の組み合わせの内で、陽干の方位となるのです。
つまり恵方は、甲、庚、丙、壬方位しかありません。
(戊は中宮ですから、代わりに丙方位となります。)
※このそれぞれの天干の方位がどの方位なのか?は下の二十四山図を参照下さい。
そして、これが毎年ぐるぐる回っています。
だから、今年は辛の年ですから、恵方は「丙」の方位となります
この丙の方位は、どこなのか?
と言うと、基本はこの恵方は方鑑の神様なので、方位を八分割した45°で二十四山で出すと言うことです。
気学の30°60°で出すのは間違えです。
ですから、南の45°を3つに割った東より15°が今年の恵方となります。
ましてや北は真北であり、磁北ではありません。
そして、もちろんこの恵方は立春以降の話しです。

そして恵方にも陰陽の区別があります。
それは、「陰年には女子に徳なく、必ず夫に従って徳あり」と「五種秘竅」に書いてあります。
だから今年は辛年ですから、陰年なので、女性には恵方の徳はないと言うことになります。
やはり、女神なので、同性の女性には厳しいと言うことでしょうか。

二十四山
二十四山

そして肝心な恵方参りをいつするか?ですが、恵方の歳徳神は歳神様ですので、九星の年盤をまず見ます。
その際、恵方の回る方位に自分にとって相生になる九星が載っていれば、月盤を合わせて恵方参りが出来ます。
つまり、今年で言うと、南の一白が乗るので、三碧、四緑、六白、七赤の人が恵方参りが可能となります。
それ以外の人がやっても恵方の効果は薄いです。
そしてここに歳破や暗剣殺が回っていれば、取ることは出来ません。
だから、恵方参りをする時期と言うのは、あくまで立春以降で、年盤に加えて月盤でも自分の本命と相生になる星が回る時に恵方参りをすればいいのです。
だから普通の吉方位取りと変わりありません。
それが恵方参りをする時期となります。
ですから、決して節替わり前にお参りをしなければならないと言うことはありません。
そして米、塩、お賽銭などをあげて一年の吉福を祈るというものです。

令和3年盤
令和3年盤

そしてこの歳徳神という神様は本来は中国の道教の神様なので、道教の寺院にお参りするのが良いかもしれませんが、
それが陰陽道に入り、方鑑に組み込まれて日本化されているので、神社仏閣へのお参りで良いのです。
教会やモスクではありません。
この様にして、恵方参りを楽しんで下さい。
恵方参りの変な作法なんてありませんので、普通に神社仏閣を参拝して下さい。