増永篤彦という人の本を思い出しました

2021年2月26日

増永篤彦という人をご存じでしょうか?
大正11年生まれの人で昭和の戦後の時代に四柱推命を研究し、本を何冊も出している先生です。ちなみにこの方は、本名の増永篤彦の他に三命方象というペンネームでも書籍を出版されています。この先生の有名な著書としては、1950年出版の「新推命学」ですがの、他にも1951年の「推命実例 鑑定要訣 命式篇」・1957年の「推命実例 鑑定要訣 行運篇」とか、1963年の「性格入門 タイプ的人生論」1961年の「性格の発見 タイプを見る眼」1963年の「占術通論」などがあります、また三命方象というペンネームでも「生まれ日占星術 個性学入門」等の本を出しています。(「人の研究」という本もありますが、これは四柱推命の本ではありません、心理学の本です。)が、今はどれもあったとしても古本でかなり高い値段で取引きされています。ただ根気よく古本屋で探していると、たまに掘り出し物があったり、コピー本を安価で見つけたりします。因みに「新推命学」は、1986年に東洋書院で復刻しましたが、余り売れなかった様で、今は絶版になっていますが、私は多分かなり前に新刊で購入したと思います。さだかではありませんが。

いずれにしてもこの先生の四柱推命の特徴は、徹底して三柱でやっているところです。やはりこの時代では、生まれた時間はまだ一般的に不明確だったからでしょう。時柱は無視して、生まれた年・月・日のみで何とかその人の命運を出そうと必死に研究しています。そしてそれを裏付けるために当時の赤線と言われるところで働く女性の命式と身上の聞き取り調査をしながら、徹底的に四柱推命を研究したと言われている先生ですが、本職がなんと日本心理学協会会員 京都大学・大学院で心理学を専攻し、臨床的性格学の研究をして、昭和27年に卒業し、その後早稲田大学で教鞭をとって、タイプ論に立つ人間の性格の体系化を形成したと言うから驚きです。心理学と占いと言うと相反する様に感じますがそれを両立し組み合わせた先生です。
この人の本を読むと、徹底的に実学です。そして日本化された四柱推命です。生日基運(十二運)によってどの様な運命であると分類してみたり、通変星の組み合わせによってどんな運命かを分類してみたりしています。また、男女別に家族を通変星で表したりと独特な方法で研究していますが、多分この人の本を復刻して売れなかったと言うのは、現代の泰山流の四柱推命や、中国式の四柱推命からするとやはり三柱という点であったり、大運は見ない、五行の強弱を余りみない、格局は使わないと言う点で他の四柱推命とは一線を引いたものであった為、物足りないと思われたろうし、余りに独特過ぎて、自分達のやっている四柱推命とは違い過ぎて受け入れられなかったからでしょう。

ただ、気学をしていた者にとっては、難しくなく、すごく入りやすい推命でした。私がこの先生の事を知ったのは、最初は鴨書店にメールで四柱推命の本のおすすめ本を聞いたら、何冊か提示してくれて、その中にこの先生の本があって、当時は、何も知らなかったので、本の中身も見ないで、あてずっぽでこの先生の本をたまたま選んだのですが(でも当時は高価な本を選んだなあと思ったことを覚えています。)、その後、干支九星をやって望月治先生の講義録でこの先生の事が書かれていて、色々と知ったという感じです。そう言った意味では、望月先生の講義録は色々な事を教えてくれました。そして大切な事は、望月先生が講義録で良く書かれている通り、日本化されている占術ということです。中国で良く当たると言っても、風土も生活習慣も違う日本にいきなり術を持って来ても当てはまらないことが多いのが当たり前で、それが日本の風土になじむためには、時間もかかりますし、色々と術自体も変化もして行きます。そういった意味でこの先生の推命は日本化されていると言う点で優れていると当時感じました。また、過去に一世を風靡した動物占いは、この先生の十二運を元にして作られたものであるというのも有名な話しです。そんなことで、急にフッとこの先生の本を昨日思い出しましたので、グダグダと書いてみました。

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